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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第9章 渚の誕生日

誕生日当日、仕事を早々と終えた私は、SUNに行く前にカイさんのマンションのエントランスに行った。


カイさんの部屋番号は…

あの日の記憶を辿った。

そうだ!902号室。

最上階の奥から2番目の部屋だったから、間違いないはずだ。

メールボックスに手紙を入れて、SUNに向かった。

カイさんが無事に、手紙を読んでメールをくれる事を祈りながら…。


SUNのドアの前。

今日はいつもと違い、会いたいような会いたくないような複雑な気持ちで、ドアの前に立った。

カイさん…いるかな?


ドアを開けると、今日もお店は賑わっていた。

でも、どこを見渡しても、やはりカイさんの姿はなかった。

「渚!いらっしゃい!」

希が元気に迎えてくれた。

その声にカイさんと仲良しのおじ様が振り返った。

「おっ!ナギちゃん、久しぶりだね。」

「お久しぶりです!」

「そう言えば、ナギちゃん今日誕生日なんだって?俺からボトルプレゼントしてあげるよ。」

「ありがとうございます!嬉しいなぁ。」

その一声を皮切りに、お店の常連さん達が一杯ずつお酒をご馳走してくれる。

“嬉しいけど酔っちゃうなぁ。でも皆の気持ちは、嬉しいなぁ。”
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