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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第2章 友達のお店
希が厨房に入って料理を始めると、私はお店の中をゆっくり見渡した。
お客さんは、家族連れだったり、女子会の集いだったり、サラリーマンだったり、様々な感じだ。
お店の雰囲気は、家に帰ってきたようなまったり感がある。
私が座ったカウンター席のテーブルには、色んなお酒が並んでいる。
メニューを手に取り見てみると、お酒の種類も豊富だ。
カラオケもあるし、夜にはまた違う雰囲気になるんだろう。
“夜にゆっくり飲みに来たいな”
「おまたせー。」
希が、本日のランチ。海鮮丼を運んできた。
色とりどりの海鮮丼。
盛り付けもすごくキレイで、希らしいと感じた。
「すごい。美味しそう。」
思わず声に出して言ったら
「ありがとう。ゆっくりして行ってね。でもまだお昼だし、飲み過ぎは、だめだよー。」
と希がイタズラっぽく笑った。
「美味しい。」
海鮮丼とハイボールを飲み干して、少しまったりする。
「希って、料理上手なんだね。何か色々食べたくなるなー。またゆっくり来るね。」
信号を渡って振り返ると、まだ希がドアの所で、手を振ってくれていた。
私も力いっぱい希に手を振り返した。
「また来るからねー!」
ほろ酔い気分の私の頬っぺたに、まだまだ暖かい陽の光が当たっていた。