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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第12章 ヤキモチ☆俺の物でしょ?
カイさんに思いを伝えてから、別にこれといった進展もない。
仕事で出張やら何やらで、忙しく動き回っているカイさん。
メールをしても返事はたまにで、電話なんてまずこない。
“元気にしてるかな?”
ハイボール片手にため息をついた。
「何?思い伝えたんでしょ?いい事ないわけ?」
「なんもない…。」
先日カイさんに告白した事は、希に伝えた。
微妙な関係だね!と希にも言われた。
だから今、なんもないと言った私に、希は心配そうな顔をする。
「大丈夫なの?遊ばれてないよね?」
「そんなストレートに言わないでよ。自分でも、心配なんだから。」
正直な所、本当に微妙な気がしてならない。
誕プレのデートもまだ行けてない。
誕プレどころか、デートすら行った事ないし…。
友達どころか、ただの飲み友?ただのソフレ?
私と希が、うーんと悩んでいると、少し離れた席にいたお兄さんが、私の横に移動してきた。
「何?2人で深刻な顔して。」
「女には色々あるの。」
希が言うと
「じゃっ、今日は楽しく飲もうよ。何かご馳走するよ。」
「いいんですか?じゃっ、ピーチウーロン。」
酔いも回ってきたから、希に薄く作ってもらう。
「乾杯!ご馳走さまです。」
「お疲れっす!」
多分、私より年下であろうお兄さんは、テンションが高くて話も面白い。
楽しいお酒は量も増える。
希も一緒に飲んでいたので、皆で酔っ払ってしまった。
閉店時間も、もうすぐなので最後にお兄さんと、デュエットを歌う事にした。
私とお兄さんが、歌い始めるとお店のドアが開いた。