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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第12章 ヤキモチ☆俺の物でしょ?

うつろな瞳でドアの方を見ると、カイさんが立っていた。

「こんばんは」

カイさんは、私と希を見てそう言うと空いている離れた席に座った。


「希ちゃん、ビールちょうだい。」

1杯目のビールをいつものように飲み干して、すぐに2杯目を飲んでいる。

「仕事忙しいの?」

希がカイさんに聞いた。

「そやね。忙しい。ウイスキーロックでちょうだい。」

カイさんがぶっきらぼうに答えた。

疲れてるからだろうか、何だか機嫌も悪そうだ。

ウイスキーをまた、グイッと飲むと、私とお兄さんの方をチラッとカイさんが見る。

お兄さんの手が私の肩に回る。

「だめだよ。」

そう言ってお兄さんの手を払うと

「いいじゃん、これくらい。」

そう言ったお兄さんが、私をグッと自分の方に引き寄せた。

お兄さんの体を押して離れようとすると

「ナギちゃん、もう遅いから送って行く。希ちゃん、ナギちゃんと俺の一緒にチェックして。」

そう言って、私の所にカイさんが近づいて来た。

「ナギちゃん結構酔ってるから、今日はもう無理させないで。」

お兄さんにそう言うと、お会計を済ませ、私の手を引っ張って、外に連れて行った。

「カイ!ちゃんと渚の事、送ってね!」

希が店の外に出てきてそう言うと

「うちに泊めるから平気!」

そう言って、私は無言で表情も変えないカイさんに、腕を引っ張られ、カイさんのお家に連れて行かれた。
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