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秘密の恋人
第18章 男ノ選択
「隆行は、金がある時はきちんと買っていたようで、店側も中々現行犯逮捕ができず、ズルズルと数ヶ月。本人は、金がなくてもなんとかなるもんだ、と思った、と言っていたよ。情けない話だろ。」
「それで、離婚…?」
義隆さんは軽く頷く。
「お互い、やり直すのは無理だと思った。私が彼女を信じることも、私が彼女の望む夫に変わることも。離婚する方向で、せめて隆行が小学校を卒業するのを待とう、と言ったんだが、小6の夏だったかな…不倫相手の子供を妊娠したと言い出して、家を出て行ったんだよ。最初は隆行も連れて行こうとしてたみたいだが、私が反対した。相手の男のことを何も知らない訳だからね。私だって褒められた父親ではなかったけど、少なくとも相手に家庭があるとわかった上で不倫を続ける男よりはマシなんじゃないかという思いもあった。彼女は何も言わずに家を出て…そのまま戻らなかった。その先は想像だけど、相手に相談して逃げられたんじゃないかな。相手は遊び、彼女だけが一緒になるつもりだった、とかね。箱入りというのか…世間知らずのお嬢さんだったから、妊娠イコール結婚という思い込みは強かったと思う。実際学生だった私はそうしたしね。遊び目的で責任取る気なんかない男だって世の中にはいるだろうけど、彼女にその認識があったかどうかはわからない。ま、どういう流れになったのかは結局聞かずじまいだけど…私たちは2人残されて、男2人でなんとかやってきた。」
「奥様はそれで…今はお幸せに…?」
「さぁ。もう何年も連絡は取ってない。ただ、子供は流産したと聞いた。今思えば気の毒な話だが、さっきも言ったけど、私は自分が裏切られた被害者だと思っていたし、その時は正直ホッとした。実際生まれていたら、私との婚姻期間に妊娠した子だから、法律上は私の子供になってしまう。不倫相手の子供だと証明するには、相手の認知だけでなく、DNA鑑定だのなんだの、裁判沙汰になる。面倒が一つ減ったと思った。酷い男だと思う?」
「それで、離婚…?」
義隆さんは軽く頷く。
「お互い、やり直すのは無理だと思った。私が彼女を信じることも、私が彼女の望む夫に変わることも。離婚する方向で、せめて隆行が小学校を卒業するのを待とう、と言ったんだが、小6の夏だったかな…不倫相手の子供を妊娠したと言い出して、家を出て行ったんだよ。最初は隆行も連れて行こうとしてたみたいだが、私が反対した。相手の男のことを何も知らない訳だからね。私だって褒められた父親ではなかったけど、少なくとも相手に家庭があるとわかった上で不倫を続ける男よりはマシなんじゃないかという思いもあった。彼女は何も言わずに家を出て…そのまま戻らなかった。その先は想像だけど、相手に相談して逃げられたんじゃないかな。相手は遊び、彼女だけが一緒になるつもりだった、とかね。箱入りというのか…世間知らずのお嬢さんだったから、妊娠イコール結婚という思い込みは強かったと思う。実際学生だった私はそうしたしね。遊び目的で責任取る気なんかない男だって世の中にはいるだろうけど、彼女にその認識があったかどうかはわからない。ま、どういう流れになったのかは結局聞かずじまいだけど…私たちは2人残されて、男2人でなんとかやってきた。」
「奥様はそれで…今はお幸せに…?」
「さぁ。もう何年も連絡は取ってない。ただ、子供は流産したと聞いた。今思えば気の毒な話だが、さっきも言ったけど、私は自分が裏切られた被害者だと思っていたし、その時は正直ホッとした。実際生まれていたら、私との婚姻期間に妊娠した子だから、法律上は私の子供になってしまう。不倫相手の子供だと証明するには、相手の認知だけでなく、DNA鑑定だのなんだの、裁判沙汰になる。面倒が一つ減ったと思った。酷い男だと思う?」