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秘密の恋人
第5章 裏腹ナ台詞
口癖のように。

「誰か好きな人は出来た?」

と聞いてしまう。

若い、年相応の恋人を作れと、口ではそう言いながら、心のどこかで否定されることを願っている。

彼女が首を振る仕草に、ホッとしている自分がいる。

なのに、私の口は本心を紡がない。

「私は繋ぎなんだから、早く次を見つけなさい。それか、もう傷が癒えたのなら離れたほうがいい」

離れないで欲しい。
1日でも長く、一緒にいたい。

「傷は癒えたけど、私は義隆さんと一緒に居たい。次の彼は義隆さんに捨てられたら考える。」

彼女の言葉に、目が潤みそうになる。


「困ったコだね…」

彼女の髪を、梳りながら。

今日もまた、1日寿命を永らえ、醜悪なシナリオに1歩近づく…





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