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秘密の恋人
第7章 揺レル、キモチ。
半ば形式的とも言える、いつもの質問。
いつもすぐにかぶりを振り、私にニッコリと微笑みかける菜摘が、今日は違った。
甘えるように胸に顔を埋めてくるのは、答えたくないのだろう。
他の男が出来たのか…
本当に、嘘のつけないコだ。
それは時に、残酷と感じるまでに素直で…
私は溜め息を誤魔化すように深呼吸をする。
まだ、付き合うとか、関係を持つとか、そういった段階ではないのかもしれない。
菜摘は基本的に奥手なタイプだから、通常なら自分から積極的にいくことは考えにくい。
ただ、流されるところがあるのと、私との始まりの経緯から考えると相手と状況次第といったところか…
シナリオの終焉が近いのかもしれない、とぼんやり考え、やはり私は、安堵よりも焦りを感じる。