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きょうどうせいかつ。
第8章 しかけにんは おどろいた。
「それで俺を嵌めようとしたのか……」
「……だって勇者、意外と堅物なんだもん」
「『堅物なんだもん』じゃないだろう!? いくらなんでも、あんなこと……」
勇者と姫は、話し合うため、再びあの部屋へ来ていた。
勇者がきいた概要を一言でまとめると、『勇者が分からず屋なので、色仕掛けだったら引っかかってくれるかなって思った』ということらしく、それを聞いて、一気に姫に対する尊敬の念を失った勇者は、もう、敬語使わなくっていいや、と、勇者としての立場を放棄し、姫も姫で、敬語って堅苦しいのよね、とかなんとか、そんな感じの理由から、お互いがお互いに敬語を使わなくなった無法地帯と化していた。
「もう、謝っているじゃない。私だってね、怒るのよ?むしろ怒りんぼうさんなのよ?分かる?」
「分かんねえよ!だからって、マインドコントロールすることないだろう!? 」
「うるさいわね……。ダミアンは大声が嫌いだっていってるでしょう?」
「ここに魔王はいないだろう!」
「ダミアンが嫌いな物は、私も嫌いなの」
姫と勇者は、先ほどからずっと交渉決裂しており、こんな感じで、かれこれ一時間ほど言い争いをしている。
姫の態度はものすごく傲慢で、勇者はそれが腹立って仕方ない。
何なんだこの女。態度が違いすぎる。
これじゃあ埒があかない。
「ああ……、もう!」
「なによ。というか、勇者はどうしたいの」
「それは……姫に国へ戻っていただきたい」
「却下」
「はあ?」
「無理に決まってるじゃない。ダミアンと離ればなれになる」
「じゃあ、どうしろっていうんだよ!」
「だから、私たちに協力して、魔族との協定を結べば、私は帰るってば」
「どんだけ我がままなんだよ!」
「うるさいよりましだと思うけど?」