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共犯者の微笑
第1章 読み切り短編
ふたりがけのちいさなテーブルは、本当に小さくてちょっとびっくりしてしまう。
テーブルの天板の下に申し訳程度の荷物置き場があるのだけれど、それだって、彼の鞄をいれたら、あたしのクラッチバッグなど、椅子のお尻に挟むほかない。
「大丈夫、美味いから」
ちょっと薄汚れた怪しいのれんにあたしが微かにひるんだのを、彼は見逃さなかった。
優しい声でそう言って、腰に手が置かれ、小さな力で押されるように、その焼き鳥屋さんの引き戸をくぐった。スカートのお尻のちょっと上の、平たくなったトコに自分の手のひらを置くのが大好きな彼。あたしがそんなささいなタッチでも、ちょびっと感じちゃうのだって知ってるくせに。馬鹿。