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貴方にジャンキー
第8章 講習室
徹は昼になっても、学校には来なかった。


「いいかげん、南波と仲直りしたら??」

「うぅ~~~~ん・・・。」

「私の目から見ると、あんた達二人はじれったい!!両想いなのに、喧嘩してるなんて勿体無いッ!!」



そっか~~。美紅に言われると、そんな気もしてくる。



「理子ー。B組の綾部君が呼んでるよー。」


声の先を見ると、スレンダーななかなかのイケメンが立ってる。

綾部君??何だろう・・・??




綾部君は、2年の時に同じクラスだった。
けど、ほとんど接点無かったなぁ~。


「お待たせ。何?」


「ちょっと、東郷さんにお願いがあって。」




「俺、理系なのに、理科系苦手でさー。今更、先生に聞くのも恥ずかしいから、東郷さんに教えてもらえないかなぁ?って思って。」





あぁ。苦手意識を表に出しちゃうと成績にも響くってとこかな?

結果重視の学校だしねー・・・。



「うーん・・・。今日なら、バイトも休みだし。ちょっとだけなら、良いよ。」

「ホント??!!じゃあ、C棟の講習室で良い?!」

「教室じゃ駄目なの?」

「教室じゃ、皆の目があるじゃん・・」



仕方ないか。。。



「分かった。でも、私は教えるのって苦手だから 期待しないでね。」

「いいよ、いいよ♪じゃ、放課後。C棟の35号室で待ってるよ。」






「綾部。何だって?」

真後ろに澤が立っていた。

「うわぁ!ビビッた。別に、何も?ただ勉強を教えて欲しいって。」

「二人で?」

「あー・・人数言ってなかったけど、そうじゃない?放課後、講習室で・・」

「・・・誰か、女友達でも良いから連れてけよ。」

「あっちは、出来るだけ誰にも知られたくないみたいだったけど?」

「4畳半の鍵付き密室で二人って、怪しくないか?」



言われてみれば・・・。
講習室は、自習室でもあるけど 先生との面談や吹奏楽部の練習場所でもあるから、防音対策はバッチリ。しかも、教員の休憩場所やテスト作りにも使われることがあるので鍵付き。


いやぁ・・・でも、あの真面目なイケメン綾部君が・・???



「ないわぁ・・・(笑)」

「ま。念には念をってことで。俺が行ければ良いけど、俺も今日は生徒会の用事があるんでな。二人きりは避けておけよ。」

「うぅ~~ん。わかった・・」


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