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さくらホテル2012号室
第16章 みっちやん?



彼の意外な言葉に、本当に驚いてしまった。
空っぽになってしまったことなど、絶対に悟られない自信があったのに。
何ひとつ疑わない彼の笑顔に、胸がじんわりと温かくなった。
夫とSEXしなくなってずいぶん経つけれど、やはり彼はわたしのことを一番よく分かってくれている。何も言わなくても、彼には全てお見通しなのかもしれない。


ズルい、と自分で思いつつも、久しぶりに夫の胸に顔を埋めた。我が家の洗濯物の匂いがした。先生の胸ではかぐことのできない匂い。


あなた、ありがとう。


言葉にせずに、胸で、そう告げた。
鼻の奥がツンとして、少しだけ身震いした。


「1日だけ、甘えさせて」
「何日でも」
「そんなに仕事、ほっておけないわ」
「ウチはいいのかよ?」
「ウチのことは、わたしが恋しくなっちゃうわ」


わたしたちは短く言葉を交わし、そして少しだけ笑った。
彼に対しては、本当にしてはいけない裏切りだけど。


でも、わたしの中でお別れを言うために。
先生の思い出を抱きしめるために。


もう一度、さくらホテルに行く必要がある、と思った。


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