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さくらホテル2012号室
第17章 傷心旅行


タクシーのドアを開ける時、ベルボーイがドアに白い手袋をつけた手を添えてくれる。これもいつも通り。
ロビーに入るといつもは先生がわたしを待っていてくれた。今日は初めて自分で部屋にチェックインする。
「ようこそ村沢さま」
初めてここで、苗字を呼ばれた。わたしはドキドキした。チェックインのためにパソコンを流麗にタイプした白髪のホテルマンは、
「おかえりなさいませ」と、周囲に漏れない小さい声でわたしに言った。柔和な微笑を浮かべて。


覚えていてくれたんだ。


嬉しかった。彼の姿は何度も見かけたものの、声をかけることは一度もなかったから。
咄嗟になんと答えて良いか、言葉に詰まったけれど、わたしはただ頰笑んでそこに立っていた。
そうすればいいのだ、と自然にわかった。
言葉なく、先生が教えてくれたから。

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