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さくらホテル2012号室
第6章 先生の指

身体が何度も痙攣するように引きつり、逃れたくないのに先生の愛撫から逃げようとしてしまう。
すこし怖い、という感覚が分かるだろうか?
逝く、よりもっと深い感じ。
理性が飛んで、頭の中で雷がスパークするような。アドレナリンが大量に分泌され、意識が遠のく。眠りに落ちてしまうか、気を失ってしまうかのような感覚。
快感の度合いは例えば膣でのオーガズムより強い訳ではないが、身体の輪郭がやわらかく溶けて、なにもかもが消えてなくなるように思える。
うつ伏せの姿勢なので、先生と目を合わせることもできず、手を握り合うこともできない。
けれどもヒップの肌にすっかり埋まるような先生の十指が、わたしを途方もなく蕩(とろ)けさせる。先生の気持ちが、そこからジンと身体に入ってくるのが分かる。先生が、途方もなくわたしを溶かしてしまうのが、心の底から分かる。
先生が、欲しい。

