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さくらホテル2012号室
第9章 はじめての2012号室


駅で落ち合った先生とタクシーに乗って桜ホテルに。
緋色(ひいろ)の絨毯の敷かれた静かなロビーを抜けて、海の見える階段を上がり、2階の12号室のドアを開ける。
短い廊下の左右には、クロゼットとバスルームへのドアがある。その向こうにリビングとつながったベッドルーム。リビングのスペースにはソファーが置かれていて、突き当たりは広いのガラスサッシとベランダになっていた。


サッシの先、窓の外はまだ冬枯れの山肌が見える。3月に入ったといっても、今日もコートが手放せない気候だ。山肌も、濃い緑色の葉をつけたまま冬を越える常葉樹と、暗くくすんだ緑色の針葉樹、そしてこげ茶色の骨のような枝だけを広げる広葉樹が折り重なるように見える。さび色と深緑色の織り交ざった寒々しい色合いだ。


その単調な色味のなか、ひときわ目を引く濃いピンク色の大樹。


斜めの山肌から天にそびえる見事な樹体。その大振りの枝のすべてに濃い桃色の八重の花を爛々(らんらん)と咲かせて。わずかに風にそよいでひたひたと、その目に鮮やかな枝ぶりを揺すり、やわい春先の陽の光を受けて、くすみ色の山肌をきらきらと染めぬいて、輝いて。

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