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さくらホテル2012号室
第12章 ほどける


うっとりするような、とても丁寧に仕事を施された鮨たちがツケ台に現れ、瞬く間にわたしたちの口中に消えてゆく。淡雪のように。幻のように。
心がふるふると湧き立つようなこの嬉しさとときめきが、いつまでも続けばいいのに、と思う。


最後に玉子が出される。
シャリを含まない玉子。
「この人はね、」と先生は大将のことを指して言う。「頑固でね。地のものしか出さないって言うから、この時期マグロがメニューにないんだよ」
大将は苦笑して。「こんな田舎まで来てくだすったお客様に、こんな田舎でしか口にできないものをお出ししたいんで」
目を伏せてそう語る大将は、本心を明かすのが苦手なのだと思った。先生と同じように。


初夏の頃の記憶だった。
大将の向こうの海が、のたりのたりと揺れていた。


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