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私を愛して
第1章 -第1章-
「…佐々木さん、いつもすみません。」
美咲は運転手に声を掛ける。
「いえいえ。
美咲お嬢様が遊びに来られるようになって、旦那様も楽しそうで……私共も大変嬉しく思っております。」
佐々木はルームミラー越しに美咲に微笑みかける。
「そう言ってもらえると、美咲も嬉しい…」
美咲は嬉しそうに笑い、深くシートに寄りかかる。
「…お疲れでしょう。着いたら教えますので、少し眠られたらいいですよ。」
「…ありがとうございます。
じゃあ、少しだけ……」
そう言うと、美咲は目を閉じた。
「……美咲様……
着きましたよ。美咲様……」
「……ん………」
美咲はゆっくり目を開ける。
「グッスリ眠ってましたね。
少しは疲れも取れましたか?」
「あ……はい。
ちょっとだけと思ってたのに、すっかり寝入っちゃってました…」
佐々木がドアを開けて 覗きこんでる。
「大丈夫ですか?」
と、美咲の腕を優しく引く。
「…はい。」
美咲はまだ少し眠そうに身体を起こし、車から降りた。
「送ってくれて ありがとうございました。」
美咲はペコリと頭を下げる。
「…いいえ。
では、私はこれで……
失礼します。」
佐々木は美咲に頭をさげ、去っていった。
「…ふぁ……ぁ……
まだ眠い……かも……
でも、宿題もしなきゃ……」
美咲は少し背伸びして、あるマンションに入っていった。