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第1章 －第１章－

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「気を付けて 帰るんじゃぞ…」




さっきまでの熱い情事を感じさせない男の身なりに美咲は苦笑する。



気のせいか 美咲が訪ねた時より艶々してる。



そんな美咲の視線に気がつき


「…フォッフォッ……

若いエキスをたくさん貰ったからのぅ………」


男は目元の皺を深くして 笑う。



「…もぅ……おじいさまったら………」




美咲も男を見て笑顔を見せる。




「…おじいさま

明日から 旅行だったわよね？」




「…うむ。

会合と言う名の飲み会兼小旅行じゃ…」



男はダルそうに 答える。




「おじいさま。

飲みすぎちゃダメよ？

ちゃんとお薬飲んで、体調管理も怠らないでね？」




「…わかっとるわぃ。

ワシの可愛い美咲の為にも まだまだ長生きせんとなぁ…」



「そうよ。

美咲の為にも 長生きしてね。」



そう言うと美咲は男に抱きつく。




そんな美咲を男は愛しげに 優しく抱き締める。





「…そろそろホントに帰らないと……」




美咲は名残惜しそうに男から離れる。




帰りは男の黒塗りの車で送って貰う。





「じゃあ、おじいさま。またね。」




後部座席の窓を開け、美咲は男に手を降る。




「…うむ。

また ゆっくり遊びに来なさい…」





車はゆっくり動きだし、男の屋敷から出た。