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私を愛して
第1章 -第1章-
慎一に褒められ、美咲は嬉しそうに慎一の背中に手を回す。
そんな美咲に慎一は フッと笑い、
ギュッと抱き締めた。
「美咲は相変わらず、甘えん坊だな。」
「……お兄ちゃんにだけだよ…」
美咲は小さく答える。
「……ん……
可愛いな、美咲は……」
慎一は美咲の背中をスーッと撫でる。
美咲の背中が ビクリと震える。
「もぅっ!お兄ちゃん!」
美咲が顔をあげ、抗議する。
「ははっ……ゴメン…
つい………な……」
慎一は美咲を 宥めるように
頭を撫でる。
「…お兄ちゃん……
美咲……まだ今日の宿題終わってないの……」
美咲が情けなく目尻を下げる。
「…教科は?……」
「………数学…………」
「……美咲…数学苦手だもんな……
わかった。俺が教えてやるよ。」
「本当?
ありがとう、お兄ちゃん!」
美咲はまた、慎一に抱きついた。