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私を愛して
第1章 -第1章-
ー“契約”ー
それは、3年前に話は遡る。
『美咲…
こちらは“高崎 丈太郎様”
俺がとてもお世話になってる方なんだ。』
『はじめまして。
篠原 美咲です。』
『…フォッフォッ……
可愛いおなごじゃのう……』
男“高崎 丈太郎”は、美咲をしげしげと見つめた。
美咲もそんな男を、笑顔で見つめる。
『…いかがです?
私の大切な妹です。
お気に召しましたか?』
『…うむ。
気に入ったわぃ。
お前さんは、どうだい?』
男は美咲に訪ねる。
『……あの……
失礼ですけど……
手に…触れてもいいですか?…』
『…手を?…』
男はその言葉に驚きながら
『…変わったおなごじゃのう。
かまわんが、こんなじじぃの手が気になるのかい?』
と、笑いながら美咲に手を差し出す。
美咲は照れ臭そうに、男の手にソッと
触れた。
その瞬間、男はゾクッと戦慄した。
美咲も頬を赤らめ
『…あ…
感じてくれました?』
男にソッと囁くように 呟いた。
『お兄ちゃん……
私も高崎様が気に入りました。
“契約”しても…いい?』
美咲は慎一に 問いかける。
『…そうか……
お互い 気に入ったのなら良かった。
高崎様……よろしいですか?』
『……うむ。
よろしく頼む。
美咲は この儂の“恋人”じゃ』
フォッフォッ……と男は高笑いした。
そんな男を慎一は 感情を消したまま
見つめていた。