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WHITE TIGER
第1章 memory
忘れたい。
全部、忘れたい。
傷は膿んでいく一方で、傷口から感染した最近が脳までもを食い散らかし
思い出に浸りながらこんな愚行を繰り返すよう翻弄されてる気がした。
こんな事を繰り返しても癒されず、満たされず、なのに本能は正直にこれを求めてる。
情けないを通り越して呆れてしまう。
こんなバカな自分に。
「━━━━━━っ!」
ブルッと身震いをしながら自分の中の欲を吐き出した。
まるでマグマのように沸騰していた欲を全部吐き出しかたのよう思ったが
心は全然満たされない。
「はぁ…、最低だ。俺…」
一体、いつになったら楽になるんだろう。
いつになったら忘れられるんだろう。
いつまで、こんな事を繰り返すんだろう。
ぼんやり見上げた天井の照明がやけに眩しく感じた。
食欲すら感じられないほど凍てついた心。
風呂に入って眠ってしまおうかとも思ったが…
「はっ。どうせ、夢の中にまで出て来んだろうな、お前は」
ここにいるはずもない、思い出の中の女に悪態をついても
俺の心はただ掻き乱される一方だと、嫌というほどわかってるのに。