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奇竹先生の卑猥な日常
第1章 奇竹書店
 奇竹について一言で説明しろと言われるならば、「変態」が一番しっくり来る。

 だが、普段の堂々たる態度とは裏腹に、その実かなりの臆病者であるため、表向きには変態的言動をとることは一切なかった。

 もしそうした変態的言動を見咎められた場合、その際に受ける処罰や刑罰が怖かったからだ。



 そういうわけで、昨年の遺産相続の瞬間までは、奇竹は変態的言動をとったことは一度もなかった。

 内心、そうした欲望が湧いてきたこともしばしばあったが、自ら実行することはなく、そういう計画を立てたことすらなかったのだ。




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