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あいの向こう側
第4章 あの日の続き
浅瀬に脚を浸した。
奈美【ナミ】は何かを探るように手を前に出す。
まるで空(くう)に、目には映らない何かが浮かんでいる気がして、
靴を履いたままで川に浸かる。
――――3ヶ月前。
奈美は交際中の恋人・
広樹【ヒロキ】から突然別れを告げられた。
デートの待ち合わせ場所に使うカフェの窓側の席で、
頭を下げる恋人をぼんやり見ていた。
「ごめん。
浮気してたんだ。彼女が妊娠したから結婚しようと思う」
奈美は突然フラれてしまった。
驚き、「ごめん。
――じゃあ」
と言い残して立ち去る広樹を追いかけることすら出来なかった。
帰宅してやっと自覚し、
慌てて広樹の携帯にTELをしたが着信拒否をされていた。
それだけなら未だ良い。
未だ23歳なんだから、
新しい恋を探すことだってできる。
―――しかし、
翌月にあった会社の健康診断で胃カメラ検査に引っ掛かり、
詳しく検査をしたところ………………
悪性のポリープが見つかった。
奈美【ナミ】は何かを探るように手を前に出す。
まるで空(くう)に、目には映らない何かが浮かんでいる気がして、
靴を履いたままで川に浸かる。
――――3ヶ月前。
奈美は交際中の恋人・
広樹【ヒロキ】から突然別れを告げられた。
デートの待ち合わせ場所に使うカフェの窓側の席で、
頭を下げる恋人をぼんやり見ていた。
「ごめん。
浮気してたんだ。彼女が妊娠したから結婚しようと思う」
奈美は突然フラれてしまった。
驚き、「ごめん。
――じゃあ」
と言い残して立ち去る広樹を追いかけることすら出来なかった。
帰宅してやっと自覚し、
慌てて広樹の携帯にTELをしたが着信拒否をされていた。
それだけなら未だ良い。
未だ23歳なんだから、
新しい恋を探すことだってできる。
―――しかし、
翌月にあった会社の健康診断で胃カメラ検査に引っ掛かり、
詳しく検査をしたところ………………
悪性のポリープが見つかった。