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あいの向こう側
第8章 はこにわ
街でおじさんに声を掛けられるのを待ち、

脚を開きお金を受けとる。



それだけのことなのに…………



自分で思っていたよりも疲弊していたのか。



和香は、
紙切れに書かれた番号にTELをした。



落ち着いた声で『うちに来なさいな』
と言われ、
この一軒家に住むことになった。




―――風呂場から出ると白いタオルで身体を拭く。

髪を乾かし、

Tシャツ&ジャージショートパンツを着て2階に上がる。



慈雨さんの寝息が聴こえてくる。



他の部屋が5つあり、
女の子がそれぞれ2人ずつ一部屋を使っていた。


共用の食堂と、風呂場、トイレ。



オーナーは奥さんと1階に住んでいる。
奥さんは物静かな老人で、一度しか対面したことがない。
いつも仕事が入るのはオーナーから呼び出しがあり、和香は言われた通りに路上へ赴き待機するだけ。


オーナーの声を聞くたびに少しだけ、
キンチョーする…………………




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