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あいの向こう側
第8章 はこにわ
トモチカと離れ、帰宅する。―――食堂へとおずおず入って行く。



『あ?
ワカじゃん、めっちゃ振りだね(笑)』
黒髪ストレートロングヘアの痩せた子がパンを頬張っている。

『璃里【りり】……
オーナーは?』



『さあ?
さっきまでここで珈琲飲んでたけど。

聞いた?明花【めいか】のこと』



和香は買って来たコンビニのサンドイッチをテーブルに置き、
椅子を引いた。


『めいか?
ああ…、茶髪ショートの子?』



『うん。
昨日、亡くなったんだって』


『ふうん?
何で?』



『………言っていいのかなぁ。
薬飲んで、
病院の屋上から飛び降りたんだってさ』


『へぇ、
何でまた……』


『嫌になったんじゃないの?
その処理に行ったのかな?オーナーと奥さん……
何せ居ないよ』


『………………ふぅん。
璃里ねぇねぇ見てー。
今日の彼が買ってくれたの』


『うわ!
バーキンの秋の新作じゃん。いいな〜〜〜!』


和香はバッグを見せ笑顔を作り、話題を逸らす。

璃里もそれを十分分かっており話題を戻すなどという馬鹿はしない。。
明花という茶髪ショートの子の存在は、無かったことにしてしまう。
居る子のこともなるべく考えない。
自分のことも。

和香は必死に脳内から明花の顔を消す。

確か、色白で背の低い子だった。



朧気だった明花の記憶を0にする。
サンドイッチを咀嚼し、
風呂場へ向かって身体を洗った。



記憶を無しにしてしまえば、
恐怖にかられることはない。
自分を重ねることがなくなる。



それがルールのようになっている。
この場所では………………………


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