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あいの向こう側
第8章 はこにわ
―――眠りが明け、オーナーから呼び出しが入る。
肩がピクリと震えた。
食堂に向かうと、
いつものようにオーナーが浴衣姿で穏やかな眼差しを向けていた。
………突然、
胃がせりあがるような吐き気をもよおした。
『う…………
ゲホッ………』
口を押さえ、
しゃがみ込む。
吐き気は次第に治まり、
オーナーが『……だいじょうぶ?』と静に訊ねた。
椅子に座ったまま、
ゆったりした口調で。
和香は震える肩を手で擦る。
はー、はー、と深呼吸をした。
『………だいじょうぶ、です』
立ち上がり無表情でそう告げる。
『あまり無理はしないようにね?
麹町、三丁目2の5』
オーナーが待機場所を呟く。
和香が彼と出会う場所だ。
軽く頭を下げて、
食堂を出る。
肩がピクリと震えた。
食堂に向かうと、
いつものようにオーナーが浴衣姿で穏やかな眼差しを向けていた。
………突然、
胃がせりあがるような吐き気をもよおした。
『う…………
ゲホッ………』
口を押さえ、
しゃがみ込む。
吐き気は次第に治まり、
オーナーが『……だいじょうぶ?』と静に訊ねた。
椅子に座ったまま、
ゆったりした口調で。
和香は震える肩を手で擦る。
はー、はー、と深呼吸をした。
『………だいじょうぶ、です』
立ち上がり無表情でそう告げる。
『あまり無理はしないようにね?
麹町、三丁目2の5』
オーナーが待機場所を呟く。
和香が彼と出会う場所だ。
軽く頭を下げて、
食堂を出る。