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プリズムのかけら
第3章 Be Honest - 2
七海が僕の部屋に入るのは小学生の頃から数えてもう何度目だろう。というぐらい、彼女はここで僕と二人きりで過ごした事がある。けど今日は違う……、僕達は初めて、男と女としてここに居る。

幼なじみから恋へ?そんなベタな展開は、冷めた人生を歩んできた僕には無縁だと思ってたよ。実際ついさっきまで僕のほうは、女性として見てなかった。……でも七海は違ったんだな。その気持ちにも全然、気付いてなかった……。

情けないことに、何て声をかけたらいいのかわからず、黙ってただ抱き締め、キスをするしかできない……この僕が。さんざん女遊びして、官能小説まで読んだり書いたりして普段はいろごとに饒舌なこの僕が……、七海とこうしていることにドキドキして、何も言葉が出ない……。

「匠……すき」

七海は合間に何度もそうつぶやいている。そのたび胸がかき乱されて、七海が可愛くてたまらなくなって……、なんだよ恋ってこういうのなのか……。

「……僕、こういうの初めて」
「え……?」
「こう、胸がドキドキして……、可愛くてたまらなくなって、うまく言葉にできなくて……、ただこうして……くっついてることが嬉しい」
それだけ言うので必死だった。好きだなんて言えるかよ。
「うん……、嬉しい。匠も、私がしたことないこと……して?」
「ほんとに……いいの?」
「うん。今の匠となら……」
恥ずかしそうな、でも意を決した顔で、そう言いながら七海がTシャツを脱ぐ。いきなり上半身が可愛らしいブラジャーだけになり、僕はガラにもなく焦る。処女なのに大胆だな……。ていうか、七海なのに……だ。続いて七海はジーンズも脱ぎ捨てた。下着だけしか身に着けていないその格好で、僕に抱きついてくる……。うわ……、可愛いなこういうの。

「匠……、好きにして……?なんでも……していいよ」
「あ……ああ……。……うん」
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