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プリズムのかけら
第4章 Look At Me - 榊Side
夕方のグラウンドに響き渡るバッティング音。汗をかいて練習に励む選手達。うちの高校の野球部はそんなに熱心な活動をしているわけではなく、野球が好きだからやりたい、という男子達の集まりで、私・榊かすみは、そんな彼らのお世話をすることが楽しいからマネージャーをやってきた。
部員の中でクラスメイトの小暮くんだけが特別な存在になったのは、いつからだろう。小暮くんは入学当時からずっと好きな子がいて、それが片想いであっても一途にその子を想っていて、私もそんな彼が気になってはいたものの、片想いにしかなれなくて……。教室でも部活でも、いつも小暮くんを目で追っていた。
彼に告白しようと思ったのは、そんな彼が好きな子に告白したことを知ったから。そして、ふたりがセックスしたことも知ったから……。音楽室でふたりがしているところを、斜め向かい側の家庭科室から私は見てしまった。カーテンの隙間、普通なら気付かないかもしれないぐらいのことだけど、大好きな小暮くんだから……、すぐにわかった。
ショックだった。あんなの見たくなかった。
でも、同時に興奮した。
何もハッキリ見えたわけじゃない。でも小暮くんが興奮して腰を動かしている様子はわかった。それだけで、子宮が疼いた。それまでだって小暮くんのことをあれこれ妄想すると疼いてしまって、何度自分で慰めたかわからない。そしてそれを目撃した日からは、自慰の回数が増えた。小暮くんとしている自分を想像しながら弄るとすぐに濡れた。彼とセックスしたくてしたくて堪らなくなった……。けど、他の人は考えられない。どうしても私は、小暮くんじゃなきゃダメだと思った。だから彼女に取られたくなくて、彼女が学校に来なくなった間に勇気を振り絞った。
「私、小暮くんが好きなの」
「えっ」
「でも小暮くんは、高岡さんのことが好きなんでしょ、知ってる」
「あ……、うん」
「だから今まで言えなかったけど……、ずっと、小暮くんだけが好きなの」
「そうか……、ありがとう。けど俺、やっぱ高岡しか考えられない……」
そう言った彼は、すごく恥ずかしそうで、妬けた。
「うん……、そっか。でも私も小暮くんしか考えられないの。……だから、卒業まで待つから、私とのこと……、少しは考えてもらってもいいかな?」
精一杯の笑顔でそう伝えた。
「ああ、うん……」
部員の中でクラスメイトの小暮くんだけが特別な存在になったのは、いつからだろう。小暮くんは入学当時からずっと好きな子がいて、それが片想いであっても一途にその子を想っていて、私もそんな彼が気になってはいたものの、片想いにしかなれなくて……。教室でも部活でも、いつも小暮くんを目で追っていた。
彼に告白しようと思ったのは、そんな彼が好きな子に告白したことを知ったから。そして、ふたりがセックスしたことも知ったから……。音楽室でふたりがしているところを、斜め向かい側の家庭科室から私は見てしまった。カーテンの隙間、普通なら気付かないかもしれないぐらいのことだけど、大好きな小暮くんだから……、すぐにわかった。
ショックだった。あんなの見たくなかった。
でも、同時に興奮した。
何もハッキリ見えたわけじゃない。でも小暮くんが興奮して腰を動かしている様子はわかった。それだけで、子宮が疼いた。それまでだって小暮くんのことをあれこれ妄想すると疼いてしまって、何度自分で慰めたかわからない。そしてそれを目撃した日からは、自慰の回数が増えた。小暮くんとしている自分を想像しながら弄るとすぐに濡れた。彼とセックスしたくてしたくて堪らなくなった……。けど、他の人は考えられない。どうしても私は、小暮くんじゃなきゃダメだと思った。だから彼女に取られたくなくて、彼女が学校に来なくなった間に勇気を振り絞った。
「私、小暮くんが好きなの」
「えっ」
「でも小暮くんは、高岡さんのことが好きなんでしょ、知ってる」
「あ……、うん」
「だから今まで言えなかったけど……、ずっと、小暮くんだけが好きなの」
「そうか……、ありがとう。けど俺、やっぱ高岡しか考えられない……」
そう言った彼は、すごく恥ずかしそうで、妬けた。
「うん……、そっか。でも私も小暮くんしか考えられないの。……だから、卒業まで待つから、私とのこと……、少しは考えてもらってもいいかな?」
精一杯の笑顔でそう伝えた。
「ああ、うん……」