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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第83章
(あ、これ……、きっと夢だ……。お兄ちゃんは今すごく忙しい筈だし、絶対にそんなことしないもの……)
何故か頭の芯が妙に冷めていたヴィヴィは、咄嗟にそう思う。
「ヴィクトリア、寂しい思いをさせたね。ほら、可愛い顔を見せてくれ」
「お兄ちゃんっ」
自分の両頬を掌で包んだ匠海に、ヴィヴィは感激した声を上げた。
(ま、夢でも逢えたんだから、実物には出来ないほど、甘えておこう……)
「なんて柔らかくて気持ちいいんだ、ヴィクトリア。しばらく会わないうちに、こんなに育ってっ」
いつの間にやら夏用の薄い上掛けが剥ぎ取られ、ナイトウェアまで脱いでしまっていたヴィヴィは、自分の胸の谷間に顔を埋めて気持ち良さげな匠海に視線を落とす。
兄の指摘通り、Bカップの胸がEカップくらいに膨らんでいるではないか。
(なんじゃこりゃ~~っ!? うわぁ……谷間があるって、こんな感じなんだ……。不思議……っていうか、お兄ちゃん、滅茶苦茶嬉しそう……)
うっとりと切れ長の瞳を細めて白い乳房に頬擦りし、掌に余るほどたわわな双丘に唇を寄せる匠海は、今まで見た事が無いほど嬉しそうにヴィヴィの瞳には映った。
「やぁっ ヴィヴィ、お胸、お兄ちゃんに揉まれて、ぁああんっ 気持ち、いいのっ」
勝手に咽喉から漏れる自分の甘ったるい声に辟易しながらも、兄に両の乳首を弄られると途端に腰がむず痒くなった。
匠海の指先も掌も暖かいし、その大き目の唇が触れる度に感じる濡れた感触は、いつもと同じよう。
それならばと、ヴィヴィは両腕を伸ばして兄の首に縋り付いた。
「やぁっ お兄ちゃんっ いっぱい、抱きしめて……っ」
(えっちは、本当はどうでもいいの……。ただただ、抱き締めて……。お兄ちゃんにとって、ヴィヴィが少しでも価値ある人間だと、必要なんだと感じさせて……)
「躰が成長しても、甘えん坊なのは変わらないんだな? 可愛いよ」
妹の懇願通り、その胸に抱き寄せてくれた匠海に、ヴィヴィは必死に抱き付いた。