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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第86章
「駄目だよ。今、2時で、出発は9時だろう? 今日はヴィクトリアが何回イけるか、試してみようね? きっと物凄く気持ちいいぞ? ほら、お前の中、もうこんなだし」
ちゅぷん、くちゅう。
ベッドが軋まない様にゆっくり蜜壺を掻き回され、ヴィヴィはふるふると頭を振って抵抗する。
(ど、どこが『優しい俺』なの……? いつもより優しくないわっ!)
「ん? やっぱり前からがいいって? やっぱり甘えん坊だね」
そう一人で結論付けた匠海は、ゆっくりとヴィヴィの中から己の昂ぶりを抜き取る。
ぬぷんと淫秘な音を立てて亀頭が抜けたことを確認し、ヴィヴィは咄嗟に匠海の腕から逃れた。
(冗談じゃないっ 昨日ヴィヴィが、どんな思いをしたかも知らないでっ!)
広いベッドを這って兄から逃げるヴィヴィのその細い足首を、匠海がひょいと捕まえた。
「こら、逃げるな。もっと気持ちよくさせてやるから」
「もう、や……っ!!」
小さな悲鳴を上げ、更に逃げようとするヴィヴィを、匠海がもう片方の腕で柔腰を引き寄せる。
咄嗟に目の前のシーツに縋ったヴィヴィ。
その鼻先を芳しい香りが擽り視線を上げると、香りの正体に気付いた。
デスクの上に置かれていたそれは、祖母が大切に育ててくれた、自分の名が入った一輪の薔薇。
「……――っ」
(グランマ……。ヴィヴィは、綺麗になんかなれない……。いつまで経っても、恋なんて、出来ない……)
愛情を掛けて貰ってもそれに応えられない自分に、ヴィヴィは悔しくてきゅうと眉間を寄せた。
抵抗の甲斐なくあっさり捕まえられたヴィヴィは、またシーツの上に縫い止められる。
「次はヴィクトリアの顔をずっと見ていたいから、前からにしようね?」
そう甘く囁いた匠海が、ヴィヴィには悪魔にしか見えなかった。
結局、両膝を付いた匠海に貫かれ、腰を高々と持ち上げられたヴィヴィは、肉芽を弄られて早々に達してしまった。
そして全然イく気配すらない匠海に、ヴィヴィは心底げんなりする。
「凄いな……。お尻からヴィクトリアの蜜が、滴り落ちてるよ」
達したばかりでうねうねと蠢くヴィヴィの肉ひだを味わい続ける匠海は、妹の恥辱を煽る様にそう囁いてくる。