この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第90章
「ヴィクトリア……。お前は本当になんていい子なんだろうね」
慈しむような暖かな声でそう囁かれ、ヴィヴィは後ろから貫かれたまま、不思議そうに兄を見上げる。
「ヴィヴィ、いい子……?」
(それ、お兄ちゃんの“言いなり”だからいい子なんじゃ……?)
「ああ、とってもね。じゃあ、お前をいっぱい気持ち良くしてから、出すな?」
柔らかく腰を撫でながらそんな恐ろしい言葉を寄越した匠海に、ヴィヴィの可愛らしい顔が引き攣った。
「え……。えっと、ヴィヴィは、もう、いいです……」
(それより早く、解放して欲しいんです……)
「はいはい。ほら、おいで」
その酷いあしらい方に、ヴィヴィは心の中で「聞けよっ!」と口汚く罵ったが、上半身を抱き上げて匠海の腰の上に後ろ向きに跨らされると、ふっと躰の力を抜いて兄の逞しい胸に凭れ掛かった。
「……ヴィヴィ、これ……、好き……」
「ん? 抱っこ好きか?」
そう耳元で囁きながら両腕で抱きしめてくれる兄に、ヴィヴィは躰をすり寄せて甘えた。
「ん……。お兄ちゃん、くっつくの、大好き……」
(お兄ちゃんと触れ合うの、ぴったりするの……ほっとする……)
「甘えん坊なところも、可愛いよ」
「お兄ちゃん……気持ち良くなって?」
(但し、あと1回だけね……?)
胸の中でそう付け加えながら、ヴィヴィは後ろの匠海を振り返った。
「ありがとう、いい子だね。もう十分気持ちいいよ」
嬉しそうにそう囁いて頬ずりしてくる匠海に、ヴィヴィはさらに甘えてみた。
「じゃあ、もう終わってもいい……?」
「それはダメ」
「………………」
結局その後、何度もイかされたヴィヴィは、もうぐったりして失神寸前のところで匠海に出され、本当に失神してしまったのだった。