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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第91章
(なんか、刷り込み……みたいだけど……)
産まれ立ての雛が初めて見たものを親と思い込むように、ずっと傍にいた兄を、その兄の言動を、自分はそれが“絶対的なもの”だと思っているふしがある――いや、もしかしたら、そう刷り込んできたのは、他ならぬ匠海本人なのかも?
(やっぱり、意地悪だ……)
だから、ずっと見てやろうと思った。
妹の自分が兄の腰を引き寄せて快楽を貪る――その怠惰な淫蕩に耽る様を見下ろす匠海が、どんな表情で自分を観察しているのか。
それを自分が逆に見届けてやろう。
そう思うと、幾分心がすっとした。
紺のハイソックスに包まれた脚を片方ずつ兄の腰に乗せると、ヴィヴィはゆっくりと力を込めた。
はしたなく蜜を滴らせていた自分の膣内に、兄の陰茎が沈み込んでいく。
「そうだ。いい子だね……」
兄の少し掠れた声が、自分に力を与えてくれる。
蜜を纏った肉ヒダが待ち侘びた様に、分け入ってくる兄の昂ぶりに纏わり付いて行くのが手に取る様に分かった。
(ん……っ 気持ち、いいのっ ヴィヴィの狭いところに、お兄ちゃんの、凄く、ふ、太くて……っ)
「ふっ 恥ずかしい? そんな切なそうな顔して」
妹の顔の脇に両肘を付いた兄が、至近距離からぽろぽろ涙を零すヴィヴィを見下ろしてきた。
「おにいちゃぁあん……、ぁあ……、んっ」
ヴィヴィは頭の上で拘束された両手で枕を握り締めると、兄の腰を引き寄せる速度を上げて行った。
「両手を拘束されて、泣きながら俺のペニスを貪るなんて……っ なんて卑猥なんだっ」
兄の端正な顔が、徐々に欲望に負け、少しずつ歪み、厭らしいものへと変わっていく。
匠海の引き締まった腰の上で組んだヴィヴィの両脚がびくびくと震え始めた。
兄の逞しい陰茎が、自分の中をゆっくりと抉りながら埋め込まれていく。
そしてそれをしているのは自分という、その信じられない行為に、ヴィヴィの躰がかっと火照った。
「んぁっ ぁあん……っ あ、やぁ……っ んんっ」
「ああ、蕩けてきた。ヴィクトリアの可愛い顔が、どんどんエロくなっていく」
(……お、お兄ちゃんこそっ)