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第91章 　 　　 　　　 　　　　　

　両手を拘束されたヴィヴィの足腰が疲れないよう、いつの間にか匠海の片腕がヴィヴィの躰に巻きついてその動きを助けてくれていた。

　自分で兄に腰を擦り付けている――その事実には変わりはないが、匠海が守ってくれている様な気がして、ヴィヴィはもうただ無心に腰を振った。

「ぁんっ　あっ　やぁあっ　こんなの、へんになる～っ　へ、変になっちゃうっ」

　枕を縛られた両手で握り締めながら、ヴィヴィはいやいやと頭を振った。

　さんざん焦らされたヴィヴィの膣内は、もうどこを抉られても快楽しか感じない。

　亀頭の先でぐりりと抉られると、目蓋の裏がちかちかと明滅し、膣粘膜がきゅうと締まる。

　深く収めて抜き取る際、エラの部分で粘膜をこそげられると、宙に浮いた背筋に電流のような鮮明な刺激がぴりぴりと這い上がっていく。

　そして、太い陰茎全体でねっとりと出し入れされると、もう何とも言えない――言葉にならない。

　……全てヴィヴィ自身が兄の腰を手繰り寄せて、自分に還元している快楽なのだが。

「大丈夫。可愛くとろとろに蕩けてしまうだけだ。変にならないよ」

「ほ、ほんとう……？」

　匠海の甘い睦言に泣きはらした瞳で縋り付けば、うっとりと微笑まれた。

「ああ。イきそうだな、ヴィクトリア……」

　さわりと支えている掌で腰を撫でられ、ヴィヴィの蜜壺はさらにびくびくと戦慄いた。

「ん……っ　ヴィヴィっ　気持ちいい、のっ　お兄、ちゃんの……っ　ぁあんっ」

「ほら、もっと激しく“お兄ちゃん”を貪りなさいっ」

「うんっ　あんっ　おにいちゃっ　おにいちゃぁんっ　あんっ　やっ　だめぇ～～っ！！」

　抗えぬ愉悦に震え上がる腰から快感の奔流が押し寄せ、ヴィヴィの制服に包まれた華奢な全身に大きな波が襲った。

（ふぁあああっ　きもち、い……。イ、ちゃった……）

　散々焦らされてやっと達したその圧倒的な絶頂に、ヴィヴィはまるでその残り香を拾い集めるように自分の腰を兄に擦り付けていた。

「――っ　あぁっ　凄い……っ　ぅくっ」

　自分の上で兄が切なそうに喘いでいるのが、どこか遠くに聞こえる。