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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第4章     

 序盤の3回転アクセルは、トップスピードに乗って、理想通りの軌道を描いて着氷したが、

 3回転フリップ+3回転トゥループのコンビネーションは、フリップが回転不足で両足着氷に。

 更にステップ後の3回転ルッツは、アウトサイドエッジで飛ぶべきところを、インサイドで踏み切ってしまった。

 その途端、コーチ達の叱責が飛ぶ。

(もう、自分が一番分かってるって――っ!)

 残り30秒で、足が がくがくになり始めたのを堪えながら、チェンジフットスピンを回りきると、何とか最後のポーズを決めた。

 はあはあと息が乱れ、肩が上下する。

 フラフラになりながら、腰に手を当てコーチの元へ滑って戻ると、

 入れ替わりにクリスがリンクに入り、すぐにSPの曲が流れ始める。

 息を整えている間だけでもクリスの演技を見ようと、フェンスに凭れ掛かったヴィヴィだったが、サブコーチに呼び止められた。

「ヴィヴィ、せっかく剣の舞を滑ってるのに、ぜんぜん演技にキレがないよ。なに滑っても、ふんわり、ゆったりとした動きになってる。優雅なバレエ的表現ができるのは、ヴィヴィの強みだけれど、もっとメリハリを付けないと、どんな曲を使っても結局一緒だよ」

「……はい……」

 ヴィヴィは幼少の頃からバレエを習っていて、今も土日はレッスンを受けている。

 手足が長く上品な動きを得意とするヴィヴィは、先生からべた褒めされ、

 すぐにバレエにはまり、めきめき上達した。

 それは自分の長所だと、思っている――。

 けれどいざフィギュアで、バレエや ゆったりしたクラッシック以外の曲をやる際、

 どうしてもバレエの動きが染み付いてしまっているヴィヴィは、緊張感のある振付を自分のものにするのに、不得手となってしまうのだ。

(……分かってはいるんだけど……、そこまで言われたら、さすがに、凹む……)

 iPadで先程の自分の演技を見直し、さらにへこみながらも、ヴィヴィは何とかその日の練習を終え。

 こちらも体力的にヘロヘロとなったクリスと、リンクを後にした。

 篠宮邸に着くと、双子はそれぞれ就寝の挨拶を交わし、私室へと戻った。

 篠宮邸は3階建で、

 2階は父母の私室や客室等、

 3階が、左から匠海、ヴィヴィ、クリス それぞれの私室となっている。

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