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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第102章
「ふ、沢山、注ぎ込んであげるよ」
ヴィヴィを胸に乗せたままその躰を両腕で拘束した匠海は、ぱんぱんと激しい音を立てながら腰を振り始めた。
もうイき過ぎて訳の分からなくなっていたヴィヴィは、ただ与えれられる快楽を従順に受け入れるだけで。
細い声で啼き続ける妹を散々翻弄した兄は、最後に深々と己を突き立てると、湧き上がってくる白濁を、最奥にどくどくと注ぎ込んだ。
ヴィヴィはそれを暖かな感触として感じたはいいが、それ以降のことは記憶があやふやで。
ただ、この日の匠海が今までの中で一番激しくヴィヴィを貪っていた事だけは、その身を以て覚えていたのだった。
12月15日(火)。
「来週だな、クリスマス」
妹の寝室に添い寝のために現れた匠海は、開口一番そう言いながら、ヴィヴィの横に身を横たえて来た。
「え、あ、うん」
ヴィヴィはそう答えながら、頭の中でクリスマスのスケジュールを思い出す。
BSTの終業式が12月21日(月)、
22日(火)に匠海とクリスマスを過ごし、
23日(水)に家族で過ごし、
24日(木)は試合前日で早々に就寝し、
25日(金)~27日(日)には、全日本フィギュアが控えている。
(……なんか、忙しいなぁ……)
咄嗟にそう思ってしまったヴィヴィだったが、それでも兄の恋人になれて初めてのクリスマスに、途端に心が浮き立つ。
にっこり微笑んで隣の匠海を見つめれば、肘を付いて頭をその上に乗せた兄がじっと見下ろしてきた。
「時に、妹よ――」
「ん……? な、何?」
(い、妹よ……?)
「お前が以前に着ていたベビードール。まだ持ってるか?」
まさかそんな事を聞いてくるとは思いもせず、ヴィヴィは咄嗟に変な声を上げる。
「え゛……、う、ううん……」
以前、用意したピンクのベビードールは、持っているのも嫌で、もう処分してしまっていた。
「着てくれ」
「……は……?」
兄の頼みに、ヴィヴィは間抜けにも見える顔で聞き返す。
「俺の前で、ベビードールを着てくれ」
はきはきとそう言い直した匠海に、ヴィヴィはバレない様に小さく嘆息する。
(いや……、そう繰り返さなくても、分かってたけど……)