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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第104章              

 1月23日(土)~24日(日)。 

 『1月 東大本番レベル模試』――東大 前期試験と同じレベル・同じボリュームを誇るその模試は、2日に渡って行われた。

 第1日目

 14:30~17:00 国語

 17:20~19:00 数学

 第2日目

  9:30~12:00 地理・歴史

 12:40~14:40 英語

 これが予備校最後の模試となる双子は全力で取り組み、自己採点を終えてそれぞれ満足のいく出来だった。

 特にクリスは、予備校のHPの模試サイトで、各教科の優秀答案として紹介されるくらい完璧な論述だった。 
 
 そして、最近は勉強のストレス解消の一助にもなっているスケートの練習を終えた双子は、汗を流してすっきりしながらも、スケート自体にもまだ課題はあるのでその葛藤と、色々ごちゃまぜの気持ちで帰宅して別れた。

 ゆっくりとバスに浸かり温まったヴィヴィは、朝比奈にお願いして日課のハーブティーのセットを用意して貰う。

 寒くなってからはもっぱら、身体を温めてくれるジンジャーティーばかり飲むようになったヴィヴィの、本日のブレンドは――、

 ・ジンジャー

 ・レモンマートル(葉が強いレモンの香りがする、オーストラリアのハーブ)

 ・ルイボス

 ・ハニーブッシュ(蜂蜜の甘い香りのする、南アフリカ共和国の茶)

「おいし~~っ」

 大きな瞳を三日月の様に細め、幸せそうに頬に片手を添えるヴィヴィに、朝比奈が「ようございました」と嬉しそうな返事を寄越す。

 もちろんヴィヴィ自身が、こんな複雑なハーブをブレンドした訳ではない。



『ん~~……、毎日ジンジャーのブレンドしてると、ネタが尽きてくる……』

 ある夜、そう零したヴィヴィに、朝比奈が、

『実は私、ハーブ検定1級を取得しまして――。宜しければ、色々とアドバイスも出来ますが?』

『……ハーブ、検定……?』

 「そんな検定あったのか?」と首を捻りながら尋ねたヴィヴィに、朝比奈が微笑む。

『ええ、お嬢様がハーブティーをお飲みになるようになり、私もハーブに興味が湧きましたので、少々学んでみました』

 きっと、主の役に立つならばと、ヴィヴィの為に学んでくれたのだろう。

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