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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第105章
(も、もういいよね……? 両思いになったし、ヴィヴィ、大学合格したし……)
不安な気持ちで上目使いに確認すれば、匠海はこくりと頷いてくれた。
ヴィヴィは一大決心して、顔を寄せて行く。
恐るおそる唇を先っぽに触れ合わせると、その薄い唇の合わせから、桃色の舌をちろりと覗かせ、そこを舐めてみた。
舌の先に柔らかな薄い皮膚が触れたその瞬間、ヴィヴィの脳裏にある記憶が蘇った。
兄を拘束して痛みと引き換えに奪った時の、辛く苦しい記憶が――。
一瞬眉を潜めたヴィヴィに、大きな掌が先を促がす様に優しく撫で始めてくれた。
(そうだ……。今は、無理やりなんかじゃない。それどころか、恋人同士になって、お兄ちゃんは今、ヴィヴィが舐める事を望んでくれてるんだ……)
またぺろりと先端を舐めたヴィヴィは、そこから唇を離すと、兄の無毛の根元に舌を這わせ、上へと向かってゆっくり舐め始める。
「そう、アイスキャンディーを、舐める様に……。はぁ……っ 本当に、可愛いね」
何度か舌全体を使って舐めていると、上から心底嬉しそうな声が降ってきた。
「……そ……そう……?」
ちらりと兄を見上げると、切れ長の瞳を細めた匠海が頷いてくる。
頭を撫でていない方の手は、その指の背でヴィヴィの丸みの残る頬を愛おしそうに辿っていて。
ヴィヴィは更に、兄の昂ぶりを舐める力を強めてみた。
「ヴィクトリアの、ピンク色の小さな舌が、俺のなんかをペロペロして……っ」
興奮しているのかそう掠れ声で囁いてくる匠海に、一度達したヴィヴィのそこも、きゅんきゅんと疼き始めた。
自分が先程して貰った気持ちの良い舌での愛撫を、兄にも感じて欲しくて。
「もっと……っ」
(気持ち良く、なって……?)
舐めるだけじゃなくて、全体を咥えてみようと、大きく口を開けようとした、その時、
「ほら、もう終わりだよ」
妹の両肩を掴んだ匠海は、優しくその躰を引き剥がした。
「……へ……?」
まだ1分も舐めていないのに、いきなり終わりと言われ、ヴィヴィはただぽかんと兄を見上げる。
「沢山舐めても、美味しいモノは出て来ないからね」
そう言ってにっと笑った匠海は、膝立ちだった躰をシーツの上に降ろし、その胸の中にヴィヴィを抱き寄せた。