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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第105章          

 ヴィヴィの問い掛けに、兄の機嫌が更に悪くなる。

「お前が今、言ったんじゃないか。俺のこれが「ポーク○ッツみたいに可愛い」って」

「ん……? 言ってないよ? っていうか、ポー○ビッツって、なあに?」

 どうやら根っからのお嬢のヴィヴィは、昔流行ったお弁当のお供を知らないらしかった。

 どうしてお坊ちゃまの匠海は知っているのかは、作者も知らないが。

「ヴィヴィ、よく分かんないけど……。あの、これ以上、大きいと……。う、受け止めきれないよ……?」

 それでなくても、ヴィヴィは奥を突かれると苦しくて、なかなか兄の全てを受け入れることすら難しかったりするのに。

 素直に心の内を吐露したヴィヴィに、匠海はどうやら自分の勘違いを悟ったらしかった。

「ごめん。俺の早とちりだった。良かった……、ショックで立ち直れないところだった……」

 最後の方が小声でぼそりと零していた事からも、ヴィヴィにもそれが兄の本心なのだとすぐに分かった。

「あ……、んっと、えっと……。ヴィヴィ、好き……だよ? お兄ちゃんの……」

「ん?」

 恥ずかしいながらも、絶対に言葉にして伝えなきゃいけない気がして、ヴィヴィはそう恐る恐る口にする。

「だって、ヴィヴィはお兄ちゃんが大好きで、あ、愛してるし……。んっと、ぴったりするの好きだし……」

「うん」

「……、お兄ちゃんと、ひとつになって、気持ちいいの、も、す、好き……っ」

(えっと、本当は、大好き……)

 心の中で言い直しながら兄を見上げれば、

「そうだね」

 そう返してくれる匠海の表情は、とても嬉しそうだった。

「だから、お兄ちゃんの、この子……も、可愛くて、……す、すき……っ」

(だって、小動物みたいにぴくぴく怯えて、ピンク色で、何だかほっとけない感じなの……♡)

 今度は亀頭をリスの頭を撫でるように、指の腹で優しく撫でなでするヴィヴィだった。

「…………、ふはっ ありがとう、ヴィクトリア」

「……ご機嫌ななめ、治った?」

 明るい声で吹き出した兄に、そう尋ねれば、

「治りました」

「良かった。な、舐めちゃうよ……?」

 ヴィヴィがそうどもったのは、今までに数度、兄に口で愛することを拒否されたからだ。

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