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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第113章          

<ファントム & クリスティーヌ>

 もう引き返すことは出来ない

 これが最後の一線

 もう橋は渡ってしまった

 後は橋が燃え落ちるのを 見ているだけ

 もはや もう戻れない
 ――The point of no return



<ファントム>

 ひとつの愛を 

 ひとつの人生を

 私と分かち合うと 言ってくれるね

 この孤独から 私を導き 救い出して欲しい



 お前と一緒に 

 お前の傍らに

 いて欲しいと 言ってくれるね



 共に どこまでも2人で

 クリスティーヌ 

 私の望みは ただそれだけ――






 兄の演奏を「怖い」と言い、止めさせた自分。


『なんか……行くとこまで、行ってしまって……。

 もう、その先には “破滅” しか無い、みたい……』

 
 そう心から脅えた妹に、兄はただ、


『可愛いね、本当に、お前は……』


 そう囁いただけで、否定はしなかった。



 それは、

 そのピアノの演奏は、

 ヴィヴィの未来を予知したものだったから。



 そう。

 私は兄の導くままに橋を渡り、
 
 振り返ってみても、
 
 その橋はもう、焼け落ちて見る影も無い。

 なのに、どれだけ目を凝らして探しても、

 橋のこちら側には、永遠の愛を誓った筈の匠海はいない



 私だけを置いて、

 ヴィヴィ1人だけを捨て置いて、

 その心を道連れに、

 自分だけ安全な場所へと旅立ってしまった兄。



 匠海のとっての妹は、対岸の火事。

 兄自身は痛くも痒くもなくて、

 ただ、自分の好奇心を満たす為、

 野次馬のように遠巻きで見つめ、
 
 復讐の為か、

 苦しむ私を高みの見物とばかりに視姦する



 そして、私は、

 放置された私は、

 自らの恋の炎に焼かれ、

 心も躰も輪郭を失い

 ぐずぐずになって、

 そして、

 ただの、

 灰塵に――






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