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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第113章          






『ああ、俺たちは獣(けだもの)なんだよ。ヴィクトリア……。

 一緒に堕ちよう。

 大丈夫。怖がらなくていい、どこまでも一緒だ――』






 あの日。

 匠海は確かにそう言って、自分と生きる覚悟を示してくれた。

 けれど――、






 もういいよ。

 もういいよ、お兄ちゃん。

 獣なのは、ヴィヴィだけでいい。



 ヴィヴィ1人だけでいいの――。
 





「篠宮様、日本国際航空48便の搭乗時間となりました」

 ラウンジクルーのその呼び掛けに、双子は揃って顔を上げ、

「「はい」」

 そう頷きながら、深いソファーから腰を上げた。











≪第一部 了≫





こんな長い小説を、最後までお読み頂き、

本当にありがとうございました。




禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部

で、続きを書いております。

続けてお読み頂けると嬉しいです。


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