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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第114章 ★★2015年 バレンタイン企画★★
「……そんな訳、無いでしょう……。スケベだけは、勘弁してぇ~~orz」
家族全員に からかわれた次男は、また情けなく肩を落としつつ。
彼らは彼らなりに “8週間執事学校で孤軍奮闘し、首席で卒業した次男” を祝ってくれているのは解る純也は、
苦笑を浮かべつつ、皆と祝杯を交わしたのだった。
「……うっぷ……。明らかに食べ過ぎ……☠」
母の愛情過多な料理が、適度に鍛えた腹筋の下、胃の位置を重く下げていた。
(明日もこの調子なら、胃拡張になりそうですね……)
薄っぺらなラップトップを取り上げ、幼少の頃からの癖のまま スプリングが効き過ぎたベッドへと飛び乗る。
フットスローにスニーカーの脚を投げ出しつつ、メールソフトを立ち上げれば、
執事学校の同窓生からの近況報告、学生時代の友人から呑み会の誘い等が並んでおり。
そのタイトルに目を走らせていると、1つのメールが目を引いた。
「……おや……?」
それは、執事ギルドからの求人情報だった。
――――
《募集要項》
職務内容は下記の通り
・子息・息女の送迎
・ならびに学習計画の作成と進捗管理
・日常の娯楽等の同伴
・学校行事等 多忙な両親に成り代わり参加
求める人材
・体力のある方
・子供好きな方
・3年間は住み込みで働ける方
《必要技能》
・英語(ビジネスレベル)
・日本語(ネイティブレベル)
・自動車免許
・邸宅での勤務経験 もしくは 執事学校等での研修経験
≪勤務地≫
日本
東京都渋谷区松濤1丁目
≪雇用主≫
篠宮 グレコリー
篠宮ホールディングス株式会社
グループCEO
――――
更に給与体系を確認すれば、日本のサラリーマンの平均年収の2.5倍という申し分無いものだった。
銀縁眼鏡の奥の瞳が、思いもよらぬ求人に忙しく瞬く。
な、なんなのだろう。
この、自分の為だけに設けられたかの様な “絶好の求人情報” は――?