この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第8章
「ま、いいや。寝よ~っと」
ヴィヴィはそう言うと、コミックを持って寝室を出て、デスクの引き出しにしまい、
(カレンが五月蠅いから)鍵もちゃんと閉めて就寝した。
次の日は「社長と秘め事」を。
その次の日は「先生、ないしょだよ?」を読破したヴィヴィは、
翌日に登校すると、すぐカレンを教室の隅に連れて行き、
「社会人って、いっつも会社であんなことしてるの?」
「せ、先生が!! 生徒と――っ!? 理科室で、あわわわ……」
そう、カレンにとっては新鮮な感想を述べていく。
恥を忍んで自分のコミックを提供したカレンは、ヴィヴィのその成長ぶり(?)を生暖かく見守っていたが。
しかし、ふと気になって質問した。
「ヴィヴィ。で、セックスについては、分かってくれた?」
「うん。好きな人に触れられると、気持ちいいんでしょ? それに人前でしたり、話したりする事でもない事も分かった。でも――」
「でも?」
「ん~……、なんか現実味、ない?」
片頬に人差し指を添えたヴィヴィは、可愛く首を捻る。
「確かにね……、私達にとっては、セックスよりもまず、彼氏を作ることのほうが課題よね……」
なぜかガックリとしたカレンを、ヴィヴィは不思議そうに見ていたが。
しばらくし、カレンの腕に自分の腕を絡ませて、くっ付いた。
「私達、まだ中学生じゃない? ヴィヴィは彼氏を作るよりも、カレンやクリスと遊んでるほうが、きっと楽しいと思うの!」
ヴィヴィよりも10センチ背の高いカレンは、そんな可愛い事を言って上目使いに見上げてくる親友を、しかと胸に抱きしめた。
「うん! ヴィヴィ! 私もそれでいいっ! …………しばらく、は――」
最後の一言はヴィヴィに聞こえぬよう、ぼそりと呟いたカレンなのだった。