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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第8章         

「ま、いいや。寝よ~っと」

 ヴィヴィはそう言うと、コミックを持って寝室を出て、デスクの引き出しにしまい、

 (カレンが五月蠅いから)鍵もちゃんと閉めて就寝した。




 次の日は「社長と秘め事」を。

 その次の日は「先生、ないしょだよ?」を読破したヴィヴィは、

 翌日に登校すると、すぐカレンを教室の隅に連れて行き、

「社会人って、いっつも会社であんなことしてるの?」

「せ、先生が!! 生徒と――っ!? 理科室で、あわわわ……」

 そう、カレンにとっては新鮮な感想を述べていく。

 恥を忍んで自分のコミックを提供したカレンは、ヴィヴィのその成長ぶり(?)を生暖かく見守っていたが。

 しかし、ふと気になって質問した。

「ヴィヴィ。で、セックスについては、分かってくれた?」

「うん。好きな人に触れられると、気持ちいいんでしょ? それに人前でしたり、話したりする事でもない事も分かった。でも――」

「でも?」

「ん~……、なんか現実味、ない?」

 片頬に人差し指を添えたヴィヴィは、可愛く首を捻る。

「確かにね……、私達にとっては、セックスよりもまず、彼氏を作ることのほうが課題よね……」

 なぜかガックリとしたカレンを、ヴィヴィは不思議そうに見ていたが。

 しばらくし、カレンの腕に自分の腕を絡ませて、くっ付いた。

「私達、まだ中学生じゃない? ヴィヴィは彼氏を作るよりも、カレンやクリスと遊んでるほうが、きっと楽しいと思うの!」

 ヴィヴィよりも10センチ背の高いカレンは、そんな可愛い事を言って上目使いに見上げてくる親友を、しかと胸に抱きしめた。

「うん! ヴィヴィ! 私もそれでいいっ! …………しばらく、は――」

 最後の一言はヴィヴィに聞こえぬよう、ぼそりと呟いたカレンなのだった。







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