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第48章 　 　 　　　　　 　　

　その灰色の大きな瞳は羞恥で涙に潤み、頬の上が薄紅色に染まっていた。

（お兄、ちゃん……）

　匠海の視線が自分の大事なところに注がれているのが、嫌というほど感じられた。

　柔らかな布地の隙間から覗くそこには、金色の薄い恥毛に、ふっくらとした柔らかそうな白い恥丘、そして薄紅色の細い割れ目。

　ヴィヴィの鼓動が徐々に早まり、それに呼応するように細い腰がびくびくと震える。

　けれど匠海はさらに命令してきた。

「ヴィクトリア。ちゃんと膣の中が見えるように開きなさい」

「………………っ」

　ヴィヴィは小さく息を詰まらせた。

　しかし匠海の命令を聞こうと、震える両の指先で恥丘に触れると、両側に少し開いて見せた。

「こ、こう……ですか？」

　消え入りそうな小さな声でそう覗ってくるヴィヴィに、匠海は腕を伸ばしてその指先を掴んだ。

「もっと」

　匠海がヴィヴィの小さな秘唇を、妹の両人差し指で引っ張らせる。

　排泄をする器官と一緒にさらされた小さな膣口が外気を感じ、ひくりと震える。

「全然濡れていないじゃないか」

　匠海がそう呆れた様な言葉を零し、ヴィヴィの胸がぐっと苦しくなる。

「ご、ごめん……なさい……」

「手間を掛けさせるなと言っただろう」

　さらに被せられた非難の言葉に、ヴィヴィの躰が怯えた様に小さく震える。

「ごめんなさい。ぬ、濡れてなくてもいいから……」

（お兄ちゃんの、好きにしてくれていいから……）

「ふっ」

　ヴィヴィの必死の言葉は、匠海に届いたようだ。

　妹を一笑に付した匠海は、ヴィヴィの腰からショーツを抜き取ると、自身のグレーのスーツのジャケットを脱ぎ、広いベッドの隅へと放った。

　片手で紺のネクタイを緩めながら、匠海がヴィヴィへと捩じりよる。

（お兄……ちゃん……）

　これから匠海に自分の躰が貫かれる。

　そして実の妹である自分は、そのことを間違いなく心待ちにしている。

　兄に恋し始めた数年前から時折夢想したその行為に、ヴィヴィの心臓がどんどんと早鐘を打っていく。

　たぶん全く濡れいていない自分には、匠海の立派なものは痛みしか与えないだろう。

　それでも、痛くても、抱いて貰えるだけでとてつもなく嬉しい。