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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第48章             

「……っ はっ……あっ、や……っ やぁん~っ」

 息も絶え絶えなヴィヴィが、自分だけ達したことに恥ずかしさを覚え、可愛らしく身を捩る。

 しかし匠海は僅かな休憩も許してくれなかった。

 秘芯から唇を離したかと思うと、そこを指先でくにくにと苛め、そしてヴィヴィの膣に舌を捩じ込ませた。

「ふあぁっ!? やんっ や、待ってっ やぁあん……っ、あ、ああぁん……っ」

 目の前がちかちかする。

 先ほどまでクリを弄られると無意識に蠢いていた膣内に、舌という柔らかいけれど芯のあるものを咥えさせられ、内と外からぐりぐりと苛められ、官能を高ぶらされる。

 もう痛いほど分かるきゅうきゅうとうねる膣壁が匠海に舐めあげられるたび、ヴィヴィの細い腰がびくびくと痙攣する。

 持ち上げられたままの両足ががくがくと震えるのが目に入るのが嫌で、ヴィヴィは両手を内股に添えた。

 躰の細胞という細胞が、匠海が与えてくれる快感という刺激に打ち震えていた。

 もう何も考えられなかった。

 この行為は匠海からの『復讐』でしかないのに。

 この後匠海が挿入しやすいよう、解す為だけの行為なのに。

 錯覚、しそうになる。

 まるで、

 自分が匠海に心も躰も愛されているみたい――と。

 執拗な匠海の舌での愛撫に、またヴィヴィの躰が高みに昇りつめる。

(やぁっ イっちゃう……っ また、イっちゃうっ!!)

「あぁんっ はっ、あ、それ、やぁあっ! あ、あ、いやぁあああんっ!!!」

 甲高い啼き声をあげ、ヴィヴィは匠海の舌を締め付けながら達した。

 びくびくと震える膣壁を味わうように最後大きく舐めあげながら、ようやく匠海が舌を引き抜いた。

「今度は濡らしすぎだ……両極端な奴だな」

 匠海は心底呆れたようにそう言って、ヴィヴィの愛蜜で濡れそぼった口元をシャツの袖口で拭う。

 そんな匠海から垂れ下がる紺色のネクタイを、ヴィヴィが震える手で握ってぐいと自分に引き寄せた。

 咄嗟にヴィヴィの頭の横に腕を付いた匠海との距離が、近くなる。

「お兄ちゃ、ぁん……も、やだぁ……」

 潤んだ唇から洩れたのは、とんでもなく甘ったれた、まるで幼児のような声。

 薔薇色に染めた頬を小さく膨らませたヴィヴィを匠海が、

「は?」

と冷たい声で怪訝そうに見下ろしてくる。

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