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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第48章
「ヴィヴィ、ばっか……、イヤっ おかしく、なっちゃう……」
「お前、自分の置かれている立場、分かってるか?」
侮蔑を含んだその声も、夢見心地のヴィヴィには届いていないようだった。
「うん、わかる、よ……? お兄ちゃんが、ヴィヴィに入れたそうに、してるの」
欲望に濡れた瞳でそう言って見上げたヴィヴィに、匠海が小さく瞳を見開いた。
「――っ ……ヴィクトリア、お前、本当に淫乱だな」
「違う、もん……」
ヴィヴィは拗ねたようにそう言うと、見下ろしてくる匠海から視線を外した。
そんな匠海からは呆れ果て、自分と血を分けた実の妹に心底幻滅したかのような、大きな嘆息が落ちてくる。
「………………」
(だって、分かっちゃったから……。
お兄ちゃん、妹の自分と躰を繋げることだけは、
まだ踏ん切りがついてないから……)
ヴィヴィからの無理強いによって超えた一線とは違う、自分からその一線を越えるという意味を、匠海はこんな状況においても酷く冷静に理解している。
こんなに厭らしく乱れたヴィヴィを前にして。
それこそ、本当に憎たらしいほど冷静なのだ。
だから――、
ヴィヴィはすっと匠海を見上げる。
(堕ちて……。
ヴィヴィと一緒に、堕ちて……。
例え、お兄ちゃんが私のことを『女』として愛していなくても。
この行為が『復讐』以外の何物でもなくても。
それでも、もう、いいの――)
匠海がヴィヴィの瞳を射抜いてくる。
ヴィヴィはいつの間にか閉じてしまっていた両膝をゆっくりと開く。
そして先ほど匠海に言われたように、そっと膣口が見えるように秘唇を両人差し指で引っ張った。
とろり。
中からはしたなく蜜が溢れ出たのを感じ、ヴィヴィの長い睫毛がふるりと震える。
そして上目使いに匠海を見上げ、恥ずかしそうに唇を開き、匠海を誘惑する。
「お兄ちゃん……ここ……切ない、よ……」
ヴィヴィのその言葉に、匠海の眉間が寄せられ、形の良い唇がぐっと引き結ばれた。
ヴィヴィの頭の傍に付いていた腕を離して上体を起こした匠海が、かちゃかちゃと音を立ててベルトを外し、引き抜いた。
スーツのパンツの前合わせを解き、その中からもう十分すぎるほど昂ぶった匠海の欲望の証が取り出される。