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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第1章
まだ13歳で、スケート以外を学校や家でしか、ほとんど過ごした事の無いヴィヴィは、
異性には全く興味の無いお子様だった。
先程のテレビの中での、しっかりした態度とは全く違う、
子供っぽく甘えたなヴィヴィを見て、匠海は深い溜め息をついた。
「まったくみんな、騙されてるよ……。ヴィヴィはこんなに、甘えん坊なのにな?」
そう言って妹の頭を、ポンポンと撫でた匠海の胸の中で、ヴィヴィは小さくピンク色の舌を出したのだが、兄は気づく事は無く。
(お兄ちゃんの前だけだもん、ヴィヴィが甘えんぼになるのは――)
ヴィヴィは兄の香りを胸一杯に吸い込むと、幸福そうな表情で瞳を閉じた。