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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第60章
「――っ お兄っ、ちゃんっ 苦しっ!」
ヴィヴィの潤んだ唇から、呻きが漏れる。
しかしそれは、匠海の唸るような声に掻き消された。
「オーロラ姫……だと? 眠れる森の美女……? ふざけるなっ」
その声に、苦しさで瞼をギュッと瞑っていたヴィヴィの瞳が開かれる。
「……お兄、ちゃん……?」
ヴィヴィは、恐る恐る匠海を見上げるが、そこにいたのは先程まで優しい愛撫で自分を可愛がってくれていた兄とは、全くの別人だった。
灰色の瞳には苦しそうな色が湛えられ、いつもは綺麗で皺ひとつない眉間と形のいい唇が、醜く歪んでいる。
(な……に……?)
突然のことにヴィヴィは呆気に取られたように、匠海を見上げるしかない。
そして匠海はヴィヴィの蜜壺を、がむしゃらに突き上げ始めた。
「あんな愛らしい顔で、踊ってっ! ……自分だけ、穢れてないみたいな、顔してっ」
「あっ ぁああんっ お兄、ちゃ、ん……? あ、ああっ ひぅうっ」
ぞくぞく――した。
自分に向けられている匠海の視線は、憎しみにも近いそれなのに、ただ自分だけに向けられる熱い眼差しの中には、それ以上に何かが秘められていて。
そしてその腰の動きは、今までにされた事がない、匠海だけの快楽を追い求めていくような激しいもの。
「本当は、実の兄のこれっ、銜え込んで、善がり狂うような、厭らしい子なのにっ」
「あっ あぁんっ ……やぁ……そ、んな……ことっ やっ あぁああんっ」
匠海はがんがんとヴィヴィを突き上げながら、細切れに言葉を繋ぎ、妹を追い込んでいく。
「そんな事ないって? じゃあ、これはどう説明するんだ?」
ヴィヴィの濡れた愛蜜を指先で掬い取り、匠海がその指を広げて目の前で見せつける。
腰を打ち付けられるたびに、今までに聞いたことのないくらい、ぎゅぷっ、ぐちゅり、と蜜を掻き混ぜるような卑猥な音が立っていた。
「お前、本当に淫乱だな。ったく、こんなに濡らしてっ それとも、溜まってたのか? もう4ヶ月も、抱いてないもんなあ」
「やぁあ……、やめてぇっ あ、あぁっ」
ヴィヴィは匠海の言葉に、羞恥で耳まで真っ赤にする。