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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第64章        

「あ、ごめんなさい……っ な、なんか安心したら……眠くなっちゃった」

 ヴィヴィは自分でも驚く。よくこんな存在感のあるものを受け入れた直後に、寝れたなと。

 そう思うほど、ヴィヴィの中の匠海の昂ぶりは、硬くて肥大していた。

「動いていいか?」

「うん」

 妹の返事を聞いてすぐ、匠海はヴィヴィの腰を掴んで己の剛直で、その蜜壺を掻き混ぜはじめた。

 くちゅう、くちょっ、ぷちゅう。

 卑猥な水音が、広いバスルームに響く。

 初めのうちは、

(エッチなことをしているんだから、音くらい、しょうがない……っ)

と我慢していたヴィヴィだったが、困ったように視線を彷徨わせた先に、美しい夜景が広がっていることに気づき、さらに羞恥心が高まる。

「お、お兄ちゃん……っ」

「ん?」

「ひ、響いちゃうよっ」

「ああ、大丈夫だっ。ここのスイートは、全室防音に、なってるからっ」

 匠海はそう言い切ると、さらにヴィヴィの腰を強く掴んで自分の陰茎に擦り付ける。

「あんっ そ、そうじゃなくて……、恥ずかしい、よっ」

 そう困ったような声を上げるヴィヴィに、匠海が不承不承、二人の粘膜を擦り合せるその行為を止めてくれる。

「ヴィクトリアの可愛い喘ぎと、厭らしい蜜の音が響いて、俺は嬉しいけど?」

 ヴィヴィの顔の目前でそうからかってくる匠海に、妹は頬を染める。

「ヴィヴィは、やだっ」

「この我が儘娘め。しょうがないな……。じゃあこれは?」

 匠海はそう言うと、バスタブの傍にあるシルバーの大きなボタンを押す。
 
 途端にジャグジーから大きな泡と共に、ボコボコという泡音が立ち上った。

「少しはましだろ?」

「う……うん。ありがとう……」

「どういたしまして。もういい? このお預け状態、限界なんだけど」

 そう言った匠海は、はあと熱い息を吐いて、苦しそうにヴィヴィの肩におでこを預けてくる。

(……あ、れ……?)

「……お兄ちゃん、ヴィヴィの中に、入りたかったの?」

「当たり前だろ? もう爆発寸前だ」

 そう言った匠海の陰茎は、ヴィヴィの中でびくびくと震え始めた。

(そう、だったんだ……)

「じゃあ、早くちょうだい?」

 何でもない事のように、そうしれっと言ってのけたヴィヴィに、匠海が眉を眇める。

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