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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第67章         

 匠海は腰にバスタオルを巻き付けてベッドから降りると、ヴィヴィの傍に置いてあるビンの蓋を開ける。

 とぷとぷと音を立てて掌にオイルを零した匠海は、ベッドに仰向けに眠るヴィヴィの、胸下を隠していた大きなタオルを剥いだ。

 白い乳房を除いた華奢な躰は、トリートメントのオイルでしっとりと潤い、穏やかに差し込む日光に輝いていた。

 匠海の掌の指の隙間から、オイルが零れ落ち、ヴィヴィの乳房にたらりと垂れる。

 両手を合わせてオイルを纏った匠海の大きな掌は、何の躊躇もなくその小さな乳房を覆った。

 温かな掌で温められたオイルが、少し冷たい乳房に熱を分け与えるように塗り広げられる。

「んっ ……ふぅ……?」

 さすがに胸への刺激で、ヴィヴィは小さな唸り声をあげながら覚醒した。

 そして瞬時に、自分を見下ろして胸に触れているのが匠海で、しかもここはスパである事に気づき、両腕で胸を隠した。

「お、お兄ちゃん……? だ、駄目だよっ」

 混乱した表情でそう呟くヴィヴィに、匠海はふっと笑う。

「大丈夫だ。20時までこの部屋にはもう誰も来ない」

「……ほ、本当……?」

「ああ。宿泊出来ないだけで、ほぼホテルのスイートルームと同じ造りだからな」

「そ、そう……ビックリした……」

 匠海のその説明に、ヴィヴィはやっと強張らせていた躰の力を抜いた。

「お兄ちゃん……、な、何してるの……?」

 落ち着いてくると、自分の乳房に何やら塗り広げているらしい、匠海の様子が気になってくる。

「スパのトリートメントには胸や尻への施術が無かったから、俺がしてあげようと」

「えっ!? け、結構なんですが……」

 確実にヴィヴィの為ではなく、匠海がそうしたいだけなのだと分かり、そう反抗してみるが兄は聞いてはくれなかった。

「ふっ、遠慮するな」

(し、してない~……)

「は、恥ずかしいよ……っ」

 ヴィヴィが眉を寄せてそう訴える。

「ここ毎日、俺に見られて触られてるだろう?」

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