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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第72章
あくまでゆっくり、ねっとり繰り返されるその抽挿。
まるで視覚的にも、ここは自分のものだと覚えこますような、その卑猥な腰使いに、ヴィヴィの膣壁が喜びに打ち震える。
(ああ、そんな、奥まで……入れちゃ、だめ……っ)
ヴィヴィの目の前で、匠海が焦らすようにゆっくりと腰を持ち上げ、妹の奥深くまで収めてくる。
ゆっくりだから痛くはないが、子宮やその奥の内臓が持ち上げられるようで、苦しい。
けれど剛直の根元まで埋め込まれ、まだそれ以上入りたそうに、その下の袋状のものにまでぎゅうと力が込められれているのを見ると、どれだけ苦しくても、受け止めたくなる。
(あぁっ 凄い……っ!)
匠海が自分の躰に執着しているように思わせてくれるその交わりに、ヴィヴィの瞳がうっとりと細められた。
「ヴィクトリア、分かっているね――?
次会う時まで、俺以外を、お前の気持ちいい“ここ”に入れちゃ、駄目だぞ?」
その匠海の命令に、ヴィヴィの瞳がかっと見開かれた。
「入れるわけないっ!
ヴィヴィは、絶対にそんなことしないっ!!」
そう叫ぶように吠えたヴィヴィに、目の前の匠海が驚いたように目を瞬かせる。
「じょ、冗談だよ、ヴィクトリア。そんな怖い顔しなくても、ちゃんと分かってる」
最後は心底困ったように笑いながら言った匠海に、ヴィヴィは、はっと我に返る。
「……うん……、そう、だよね……。ごめん、ね……?」
そう何とか呟き、誤魔化す様に笑ったヴィヴィに、匠海が苦笑する。
「ムキになるヴィクトリアも、可愛いよ」
妹の唇を食みそう囁いた匠海に、ヴィヴィも兄の唇を自分のそれで挟んで引っ張った。
匠海がヴィヴィの両脚を抱え上げたまま、挿入を始める。
兄のものだと刻み付けられたヴィヴィのそこは、すぐに歓喜に打ち震えた。
もう甘い声しか漏れない。
躰も心も、全て目の前にいる匠海に向かっていく。
このままこうしていられればいいのに。
ずっとこうしていられればいいのに。
そうすれば、兄の瞳はずっと自分に注がれていて、その心には一片たりとも他の女が入り込む隙は無い。
そして自分の心も、きっともう揺れ動くことは無い、筈――。