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仮面男子は彼女を愛す
第4章 貯水槽の白い薔薇
次の日、俺は玲奈と一緒に彼女の実家へと向かった。今日もまた、春が近いとはいえ、体に吹き付ける風はまだ冷たい。

実家のマンションを出て、しばらく歩いていると、怜奈が心配そうに尋ねてくる。

「真守、昨日眠れなかったの?」

「ん? いや、べつに。なんで?」

「何回か目を覚ましたら、真守がスマホ見てたから」

怜奈はずっと寝ていたと思っていたのだが、何回か起きていたようだ。



「あぁ、ちょっとな。気になるニュースがあったし」

俺は右手を軽く握り、折り曲げた右手の人差し指で鼻先を押さえるようにしながら口元を隠して答えた。

「そっか、それなら良いんだけど……」


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